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「財務戦略を考えよう~最近よく聞く”全損保険”ってなに?~」~Lesson.19~

おはようございます。
Colorz Journal事務局です。

 

突然ですが、みなさんの会社では、どういった”保険”に入っていますか?

 

先日、代表の大久保の著書「借りたら返すな!」をご購読いただいた方がご相談に来られ、
「今期、利益が出てるはずなんですが、、、年度末の保険の支払いが大変なんです。。。」とおっしゃっていました。

 

資料を確認すると、本来利益は出ているものの、節税のために保険料を年度末に一括で払わないといけないので、キャッシュが減る見込みになっていました。
「でも全損なので全部経費になるからお得なんですよね。。」ともおっしゃっていました。

 

最近、この”全損”保険となる保険商品が、各保険会社から登場してきています。

 

以前は、生命保険による節税は”半損”(1/2が費用=損金)のものがほとんどで、
前のメルマガ(Lesson6)で、82.5%はキャッシュアウトしてしまうので、慎重になったほうがよい、とお伝えしましたが、いわゆる”全損”の生命保険は本当にお得なのでしょうか?

 

それでは、今回は、このテーマで参りましょう!

 

■今日のテーマ『財務戦略を考えよう~最近よく聞く”全損保険”ってなに?~』

 

1.全損保険とは?

 

生命保険には、大きく分けると支払った保険料の”半分”が損金(半損)になるものと、”全額”が損金(全損)になるものがあります。

 

半損保険は1/2が費用になりますので、支払ったお金の50%の法人税率約35%=17.5%しか節税できません。

 

一方、支払った金額がすべて費用になる全損保険は、支払ったお金の100%×法人税率約35%=35%節税できるので、節税好きな経営者なら飛びつきたくなる商品です(笑)

 

2.解約返戻率を見てみよう

 

しかし、ほとんどの全損商品は、1/2損金の商品に比べて解約返戻率が低く設定されています。

 

たとえば、解約返戻金のピーク時でも、支払った保険料の80%しか返ってこない保険もあります。
1,000万円払って800万戻ってきますが、節税できた金額は1,000万円×35%の350万円です。

 

実際には数年かけて50万円しか得してませんよね。

 

3.何のための保険なのか??

 

さらに言うと、50万円得するには条件があります。

 

解約返戻金の800万円は全額利益(益金)になってしまうのです。
1/2損金の保険だと保険積立金の分は解約返戻金に対する費用にすることができますが、全額損金の保険の場合、すでに費用にしてしまっているため、全額が課税されます。

 

つまり800万に対して35%=280万円課税されてしまいますので、むしろ損してしまうのです。

 

生命保険による財務戦略は高度な戦略を組む上で重要ですが、少なくとも出口戦略なしでの加入は避けた方がよいと思います。
※節税をすると、一見、得した気分になるかもしれませんが、実際、手元のキャッシュは減っています。いつもお伝えしていますが、キャッシュなくして成長なし!です。
是非、この機会にご自身の「保険」について見直してみてください☆

 

それでは次回もお楽しみに!

 

Colorz Journal,Have A Colorful Day♪