はじまりは、
「稼げる仕事」。

僕が税理士になろうと一念発起したのは20代半ばでした。人生のコマをどう進めていいかわからず、「稼げる仕事」で検索して出てきたのが税理士だったから。安直ですが、決めてからは早くて、半年で簿記一級、その後の2年で税理士試験に3科目受かりました。1社目は大手会計事務所、2社目は知り合いがやっていた個人事務所へ。パートナーとしてお客さんのために奔走し、気がつけば経営の一角を担っていました。
Colorzは3社目です。社長の大久保とは前の事務所にいた時から知り合いで、たまに仕事をもらう関係でした。ある晩、飲みの席で「M&Aがやりたいんです」とぽろっと言ったのを大久保が聞き逃さず。「起業するか?それとも自分が仕事を取ってこようか?」と、えらく真剣に相談に乗ってくれたんです。結局後日Colorzに誘われ、今に至ります。いや、前の事務所もいい職場ではありましたよ。ただ、M&Aの案件はほぼなく、仕事は繰り返しで先が見えていた。もっと予想がつかない人生に惹かれたというのは、正直あります。

「お客さんは、今、助けを求めているのかもしれない」

大久保から気づきをもらったこともあります。ある土曜日、顧客企業の社長から「相談したいことがあるから、来週会えますか?」と連絡が来たので、月曜にアポを入れました。ところがそのやり取りを見ていた大久保から連絡が来て、「来週じゃ間に合わない内容かもしれない。明日なんとかならないのか?」と。
すぐにアポを取り直し、日曜日に会いました。結論、早めて正解でした。と同時に、大久保に言われるまで、「自分が思っている以上に相手は深刻な状況かもしれない」「お客さんは“今”助けを求めている」と想像する力が足りなかったことを思い知らされました。決して闇雲に、なんでも速くすればいいわけではないのです。が、相手の困り感を察知してすぐ動く、その価値はいかほどかと以降胸に刻みました。
本気で臨む分、僕もお客さんに言いたいことは言います。意思決定の主体はあくまで社長。自分で考えることを放棄し、僕への依存が始まったら経営はうまくいきません。「もし僕が悪い奴だったらどうします?騙せてしまいますよ?会社を潰せてしまいますよ?」とまで言ったこともあります。駆け引きして、揺さぶって、相手からより強い本気を引き出していく。僕は僕で、何度も自分を顧みながら、最善を探っていく。その結果として企業の成長を加速させられるなら、ただただ本望です。

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